2010年03月18日

監視カメラ 高性能化進む 紙幣番号判別 人物抽出開発中(毎日新聞)

 秋葉原やJR埼京線、タクシー車内から高級住宅地まで、監視カメラが急増している。最近はレジの紙幣の番号まで判別したり、写真を3D化するなど高性能化が進んでいる。監視カメラの最新事情を探った。【岡礼子】

 旧製品は磁気テープによる保存のため、映像がぼやけていた。最近登場したフルハイビジョンのカメラは、画像がくっきりしている。08年12月に発売の三洋電機の製品は、天井に設置してレジまでの距離が2〜3メートルの場合、紙幣の番号まではっきり見えるという。値段は29万4000円。別メーカーの従来品が約5000円から買えるのに比べ、かなり割高だ。

 検索技術も進み、大量の映像から、特定の人物が映った画像を選べるようになりつつある。開発中の日立製作所によると、数百万の画像から約1秒で似た画像100件を抽出できる。抽出された人物が一致する割合は約9割という。設置場所などが課題で、実用化の時期は未定だ。

 映った人の特徴を自動的に記録し、検索可能にする技術を開発中なのはNEC。映像から年齢や性別を判別し、「赤い服の女性」「40代の男性」といった説明を自動的に付ける研究を進めている。

 また警視庁と東京都計画調整部は、横顔やうつむいた顔の照合精度を上げるため、写真を3D画像に変換するシステムを開発中で、10年度末に試験運用を始める予定だ。

 設置場所のIT環境やコストの問題から、最新のカメラはまだ少ない。だが秋葉原電気街振興会など4団体が今年度中に設置するカメラは、無線でネットを介してデータを送るなど、高性能タイプは徐々に広まる。

 技術の向上でプライバシー侵害の懸念も高まる。日本弁護士連合会情報問題対策委員会の武藤糾明弁護士は「画素数が上がって、常時クリアなデータが流れ、蓄積できる。個人の行動履歴がネット検索で分かる時代が目の前に来ている」と指摘。「多くの人は『悪いことをしていないなら、なぜ監視カメラが嫌なのか』という感覚」と嘆く。データがハッキングされ公開される恐れもある。

 警視庁によると、防犯カメラはコンビニや交通機関を含め、都内に約8万台(08年)。新宿や渋谷などの繁華街に150台、全国で初めて条例で防犯カメラを届け出制にした杉並区には、官民で約1600台がある。

 防犯カメラに犯罪の抑止効果はあるのか。警視庁の調べでは、歌舞伎町での路上犯罪の認知件数はカメラ設置時の571件(02年)から492件(09年)になったが、上野は151件(06年)から146件(09年)と横ばい。分析は難しい。今年1月に設置した神田末広町会会長の久保勝さんは「犯人が捕まるわけではなくても、抑止力になれば」と期待する。

 作家の平野啓一郎さんは小説「ドーン」で、監視カメラで行動を逐一検索できる世界を描いたが、そんな日は来るのだろうか−−。

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2010年03月17日

防衛相が「普天間の危険性除去イコール全面返還だ」 (産経新聞)

 北沢俊美防衛相は12日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題をめぐり、関係閣僚が代替施設完成後も同飛行場が存続する可能性を示したことを受け、「普天間の危険性除去イコール全面返還か」と問われたのに対し、「その通りだ。基地が危険性を生み、騒音をまき散らしている。そこを何とかしたいと解決へのスタートを切ったと承知する」と述べ、移設後の継続使用に否定的な見方を示した。

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2010年03月16日

温暖化法案閣議決定 産業界負担増、強い不満 競争力低下、雇用に影響(産経新聞)

 政府は12日、2020年に温室効果ガスを1990年比25%削減する中期目標を明記した「地球温暖化対策基本法案」を閣議決定した。今後、法案審議と並行し、温暖化対策の具体的な行程表(ロードマップ)づくりを加速する。だが産業界は、法案に沿って政策が進められれば負担が増え国際競争力が低下すると懸念。「反対の声が一顧だにされなかった」(日本鉄鋼連盟)など強い不満の声があがっている。

 「経済や雇用に深刻な影響を及ぼしかねず、極めて慎重な議論を求めたい」

 日本経団連の御手洗冨士夫会長は同日、談話を発表。同法案をベースにさまざまな施策が検討されることに対する懸念を表明した。

 同法案には、企業に温室効果ガスの排出枠を割り当て実際の排出量との差を売買する排出量取引制度▽石油や石炭など化石燃料に課税する地球温暖化対策税(環境税)▽太陽光や風力など再生可能エネルギーで作った電気を全量、電力会社に買い取らせ、その費用を一般の電気料金に転嫁する制度−などの導入が盛り込まれた。いずれもコスト上昇を招く可能性が高い。

 排出量取引制度は、省エネ化を進めた企業は排出枠売却によって利益を得ることも可能だが、産業界では「省エネ機器など排出削減に貢献する製品の生産活動も規制されかねない」(東京電力の清水正孝社長)と懸念されている。

 このため、政府内でも調整は難航。各企業に総排出量の上限を設定する「キャップ・アンド・トレード」方式を基本に、生産量当たりの排出量に上限を設定する「原単位」方式の検討も併記した。省エネ率を高めれば、総排出量が増えていても排出枠の購入は避けられる。

 玉虫色の決着ともいえ、直嶋正行経済産業相は12日の閣議後会見で「環境と経済を両立する方向で進める」と、産業界への配慮の結果であることを示唆した。

 しかし、石油連盟や日本ガス協会など9団体は同日、連名で「国民に開かれた議論もないなかで閣議決定となったことは誠に遺憾だ」と、法案が密室で策定され、産業界の意見が十分に反映されていないことを強く批判するコメントを出した。

 さらには、「目標が確定していないなかで個別施策を決めるのは論理的におかしい」(日本鉄鋼連盟の宮本武史常務理事)との指摘さえある。25%削減目標の前提条件「すべての主要国が参加する国際的枠組みの合意」が満たされていないのに、厳しい取り組みだけ先行して進めるのはおかしいというわけだ。

 産業界があらゆる点で、法案を批判するのは、負担が増えれば、日本企業の国際競争力が低下するだけでなく、より規制の緩やかな海外に生産拠点が流出する可能性が高いからだ。

 批判の高まりを受け政府は、ロードマップづくりでは有識者や産業界、消費者など各界との対話の仕組みを作るとしている。しかし、個々の施策の内容にまで踏み込んだ基本法案が閣議決定された以上、その声が実際にどこまで反映されるかは不透明だ。

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